OSK「黒烏龍茶」(TB)




福建省北部(閩北)産。紐が付いていないポット専用のティ・バッグ(5g×18袋)。商品説明ではファニング(粗割り)とあるのだが、紅茶で言うと大振りのオレンジ・ペコーぐらいの大きさに裁断されている。フルリーフの烏龍茶からすれば、確かに粗割りと言えなくもないのだが、少々紛らわしい説明である。まあ、要するに、こりゃ日本で言うところの番茶、ほうじ茶の類ですな。とまあ、いきなり結論を持ってきてもあれなので、多少補足しておこう。輸入物に限らず名が体を表していない商品というのは珍しくないのだが、キリンの「生茶」といい、このお茶の元ネタであろうサントリーの「黒烏龍茶」といい、紛らわしい名前は付けないでもらいたいものである。“本家”のサントリーの「黒烏龍茶からしてそうなのだが、通常の烏龍茶と種類や製法が特別違う訳ではないので、本商品は発酵度か、焙煎度が通常の烏龍茶より高めのもの、程度の理解でよいだろう(――サントリーの「黒烏龍茶」の場合、独自製法によって通常よりある種の成分が強く抽出されている。語弊をおそれずに言ってしまえば、花王の「ヘルシア」の烏龍茶版であろう)。一口に青茶、烏龍茶と言っても、多種多様で、産地、品種、製法(特に発酵度)によって、見た目も、味も、香りもまったく別物である。元々我々になじみのある烏龍茶が、伊藤園サントリーが持ち込んだ比較的発酵度の高い烏龍茶だったので、近年流行った発酵度が軽い事が多い台湾茶と比べて新味がない。これはよく見かけるペットボトルの烏龍茶と大差が無いのだが(――火入れが強いのか、ほうじ茶風の味でもある)、コストパフォーマンスを考えれば、普段用の食中茶として悪くないんじゃないでしょうかね。耐杯性もそれなりに高くて三煎目まで大丈夫で、四煎目となると出涸らしだが、飲めなくもない。淹れ方の説明が大雑把に書かれているのだが、実際、雑に淹れてもさほど影響の出ない、大味なお茶である。