Dilmah「EARL GREY」(TB)


●熱湯二分

●熱湯三分

ディルマの「グルメ・バラエティ・パック」の最後は「アールグレイ」。五種類の中では唯一の着香茶で、セイロンの中地産ブレンドベルガモットから抽出した天然香料(――着香の方法は色々あるのだが、どうやら茶葉に混じった小さな白い結晶が香料のようで、茶葉自体に直接吹き付けているのではなさそう)で香り付けしている。等級はやや大きめのBOPF。水色は濃いバラ色で、蒸らし時間が二分では赤みがかった、三分では黒みがかった色を呈している。このブランドは全般に飲み易さを重視しているようで、風味は軽くやわらかい。強烈な香りのするアールグレイも、ミルク・ティにすれば美味しい場合もあるのだが、日本の軟水ではどうしても香りも渋味も濃く出てしまいがちで、ストレートでは香りも渋味も強すぎてしまって飲みづらい。トワイニングなどがそうなのだが、他の輸出先と比べて日本向けのアールグレイは、茶葉の分量や香りを抑えている事が多い。ディルマのアールグレイもその口で、ストレートでも飲み易いよう、抑え気味に作られているようだ。その代わりに、ミルクを入れるとコク(渋味)、香りともに弱く、ミルクに負けてしまう。砂糖を入れるとミルクの風味に対するマスキングになって、ベルガモットの香りが多少目立つようになるので、ミルクを入れる場合は砂糖を入れた方が良いだろう。アールグレイが大好きという人には軽くて物足りないだろうが、アールグレイを特別好まない人にはちょうど良いかもしれない。