茶語「龍井」(TB)




398円で10袋入(2.5g×10)。基本的にこのシリーズのティ・バッグは、この値段で統一されている模様。緑茶なのだが、日本のそれとは似ても似つかない不思議なお茶である。まずもって茶葉の形が奇妙な扁平形をしている。水色はやや赤みがかった薄い翡翠色。さらには、香りも独特で、干草のような香りに、仄かに甘い香りを漂わせている。シナ茶の類はあまり詳しくないせいか、新鮮を通り越して珍妙な心持である。メンソール系のような爽快な香りというのは、青葉のような香りが多いが、こういう香りはあまり馴染みがない。九州辺りの釜炒茶の爽快さともまた違った風味である。香りの割に味はやわらかであることもまた不思議。
熱湯で淹れると香りが良く出るが、少し冷ました湯で淹れると香りが弱まるが味が強く出る。まあ、この辺は好き好きであろう。ただ、水出しで淹れてみると、びっくりするほどに香りも味も薄くしか出なかったので、少なくともこの「龍井」に関しては水出しには不向きの模様。さらに、説明書では蒸らし時間が三分となっているが長過ぎである。熱湯ならば一分で十分で、ティ・バッグを静かに取り出して(――搾ったりしてはいけない)、皿の上にでも置きおかわりする際にまたカップの中に入れると良い。二煎目は二分、三煎目は三分と重ねるごとに一分足していくのが、大雑把ではあるが目安である。なお、現地では茶葉をそのままコップに入れて、お湯を注いで淹れ、濃くなったり、減ってきたらお湯を注ぎ足しているそうだ。真似してみると、適当なようでこれが中々悪くない。一煎目は香りを愉しみ、お湯を注ぎ足すうちに味わいが出てくる。比較的自由な飲み方が楽しめるお茶のようである。