teeidee「Pussimbing Gartentee First Flush Ernte 2008 Finest Tippy Golden Flowery Orange Pekoe(FTGFOP1)」



●熱湯五分

●水出し

テー・イデーの「2008年産プッシンビン茶園ダージリン・ファーストフラッシュFTGFOP1」。プッシンビン茶園は、北にグーム(Ghoom)、東にタイガー・ヒル(Tiger Hill)を望む、ダージリンイースト(Darjeeling East)地区の標高1500m〜2000mに位置している。茶園の規模が大きくない方(年間生産量80〜100トン程度)なので商品として珍しいが、その中身も実に珍しい。
このファーストフラッシュにはファーストフラッシュによくある青い若葉のような香りが弱く、代わりにセカンドフラッシュのような甘い香り(――マスカットと言うよりは、豆やモルト麦芽の香りに近い)を伴っている。茶葉はかなり大振り。水色は綺麗なはっきりした橙色で、平均的なセカンドフラッシュの水色を少し薄くした程度の濃さ。出が良いのか、熱湯五分と水出しとで水色の差がほとんど出なかった。少し薄くなった程度である。
ストレートでは酸味と渋味が特徴的な味わいで、ゆっくり飲んでいると爽やかな青い香りが晴れて、甘い香りが顔をのぞかせるようになる。茶殻の残り香も、最初は青い香りがあって、最後の方に甘い香りが来て鼻に残る。この点、ヌワラエリヤなどに似ており、ファーストらしさがないわけではない。ただ、ストレートにするには渋味が重く、かろやかさが無い。このため、ストレートではまあ悪くは無いと言った程度だが、ミルク・ティにしてみると絶品である。ストレートには重い渋味が、ミルクと良く合い、隠れ気味だった甘い香りや華の香りが前面に出てくる。エグミがほとんど感じられない甘い味わいと華やかな香りで、力強い(――故に時として雑味が表に出てしまう)アッサムや、良い物ほど刺激が強いミントのようなウヴァとはまた違った良さがある。ストレートで楽しむにはどっしりしすぎていて、さらに水出しとの相性もあまり良くなく、どうやらミルク・ティがベストの模様。