ダッシュ(久順銘茶)「白毫東方美人」




●熱湯三分一煎目

●熱湯三分三煎目

購入店「ザ・ガーデン自由が丘」(西武系列のスーパー)筑波店。50g630円(――買ったのが結構前の事で、最近、内容量を10g減らす実質値上げの改訂をした模様)。生産地:台湾新竹県苗栗県。最終製茶:久順茶行有限公司 台湾南投工場。最終加工:株式会社ダッシュ 坂東工場。
台湾の老舗「久順茶行」の日本支社「ダッシュ」の東方美人。一応、本品も「久順銘茶」と銘打ってあるのだが、高級品の久順銘茶と、かつてダッシュのブランドで売られていた中級品と二種類あり、本品は後者の「ダッシュ」ブランド。パッケージでは分かり難いが、オンラインストアは「久順ストア」と「ダッシュストア」とに分けられている。紅茶のブランドで言えば、「トワイニング」と「216 ザ・ストランド」(――日本限定ブランドだったのだが、残念ながら本年度で廃止されるそうな)、「Lipton」と「Sir Thomas LIPTON」みたいなものでしょうかね。
輸入品というのはパッケージ情報が読み取り難くて難儀するものだが、本品は詳細で、しかも見易いので好感を覚える。サイトのデザインの方は割りともっさりとしていて、スマートさに欠けるのだが、以前飲んだ黒烏龍茶の「OSK」などは四六時中メンテナンス中になっていて、パチモノ臭さをかえって強くしてしまっていた。或は公式サイトがそもそも存在しなかったり、「CHELSEY」(――綴りが「CHELSEA」ではないのも、ある意味ミソである)のようにドメインが維持出来なかったのか、“パッケージに記されたアドレス”に行くと、まったく関係の無い企業のサイトになっていたり(――最悪、スパムの可能性も否定できない)と、それらと比べればかなりマシである。まあ、比較対象が悪いのかもしれないが。「W&M」のような世界的なブランドでも、公式サイト(英語)が結構おざなりな作り(――とにかく情報量が少な過ぎる。記事を書く時に参照できない)だったりするので、アナログな業界なのかもしれない(――紅茶の日本支社、日本向けブランドの公式サイトが、馬鹿の一つ覚えでフラッシュを多様しているのは、少々げんなりさせられる)。
与太話が続いたが、いい加減、具体的な内容を記そう。見ての通り、茶葉はかなりの大振りで、紅茶で言うとオレンジ・ペコーの二倍くらいはあるだろうか。ポットで淹れるならば、ティ・スプーンで4杯ほどは必要。茶殻になると大きく開くので、なるたけ大きなポットを使った方が良いかもしれない。開いた時の見た目は、京番茶に似ている。水色は明るい褐色で、渋味は少なくマイルド。香りは蜂蜜と言うよりは、枯葉や、晩秋の落ち葉と乾いた枝で焚火をした時のような香りがする。火入れが強かったのか、焙じ茶の風味に若干似ている。東方美人はダージリンにたとえられる事が多いが、本品はそのスモーキーな香りから、ルフナに似ていると言えなくもない。実際、蒸らし時間を長くして濃い目に淹れれば、ミルクと砂糖を加えても美味しい。砂糖の代わりに蜂蜜などを加えても良いだろう。色々試してみたが、洗茶はしても、しなくても味にほとんど差は出なかった。蒸らし時間は一回目を二、三分、二回目以降も同様に二、三分で良いと思う。あまり長く蒸らすと風味が雑になるので、ほどほどにした方がよさそう。耐杯性はとても良く、味だけなら軽く四回はいける。さすがに五回を超えると香りが乏しくなるのだが、色と味はしっかり出るので、どこで区切るかは人それぞれであろう。