Dilmah「Gourmet Variety Pack」(TB)


「ディルマ」の「グルメ・シリーズ」のティ・バック五種(――「セイロンスプリーム」「アールグレイ」「イングリッシュ・ブレックファスト」「イングリッシュ・アフタヌーン」「ダージリン」個別包装で各二個づつ)を詰め合わた「グルメ・バラエティパック」(2g×10袋、税込263円)。輸入者は株式会社隗コーポレーション。購入店は「ザ・ガーデン自由が丘」筑波店。ダージリン以外は全てピュア・セイロンのブレンド。香料はアールグレイ(ベルガモット、天然由来)のみ使用。
「ディルマ」というのは、スリランカ(セイロン)の大手パッカーMJFグループの商標で、自社農園を経営し、その茶園の生産物を自らブレンド、パッキングしている珍しい企業である。サー・トーマス・リプトンの「茶園から直接ティーポットへ」のスローガンの継承者と言えよう。ただ、パッケージに書かれている“世界の紅茶ブランドの中で、自ら茶葉を実際に栽培しているのはディルマだけです”という文句は少々頂けない。確かに数は少ないのだが、リプトン(ユニリーバ)やウィリアムソン&マゴーなどは、大規模な農園を主に紅茶の「新世界」である東アフリカ(特にケニア)などで自ら経営している。或は今日のインターネットで繋がれた時代においては、大農園が自らブランドを立ち上げ、オンライン・ショップで流通させている(――要するに「直売」である)ケースなどもある。いわゆる「フェア・トレード」がこうした流れを後押ししている面もあるが、特別な付加価値を有する物に限られよう。
さて、五種のお茶については、後日それぞれ個別の記事を立てるが、全体としては満足の行くものだった。ただ、幾つか欠点もあって、ティ・バッグは写真の通り、プラ製の個包装(――多少香りは漏れているが、臭い移りの心配はない程度)になっているのだが、少々裂き難かった。そして、一番の問題は、取り扱い店舗が少な過ぎるという事である。と言うのも、ディルマの日本代理店(――トワイニングで言えば、片岡物産のような関係性)が「ワルツ」(――輸入者の隗コーポレーションはその関連企業)という、愛知県を中心とした地域チェーンなので、県外ではオンライン・ショップを利用しないと手に入れる機会が中々無い。実際、近所の西武百貨店では本商品を含めて二種類しか取り扱っていなかった。品質と価格はかなりの水準に達しているので、販売網の拡大に期待したいところである。