手抜きで具沢山なうどん



かなり無作法な手抜きだが具沢山なうどんをばひとつ。ご覧の通り、見てくれもへったくれもない、かき混ぜてかき込むお茶漬けのような無手勝流な料理である。材料は乾麺、乾燥ワカメ、たまご、万能葱、ちくわ、干物を焼いてほぐしたもの、かつおぶし、あぶらあげ、しょうが(チューブ)、すりゴマ、大根おろし
乾麺を茹でるのに八分掛かる。麺を投入して引っ付かないように軽くかき混ぜ、麺が泳ぐように茹でられる頃合いになったらば、火をうんと弱くする。ジョイ君とスポンジで洗った卵を茹で上がりの五分前に投入すれば、ちょうど良い具合に半熟卵に仕上がる。この時、火が強かったり、あるいは運が良くない時は殻にヒビが入ってうまく茹で上がらない。破裂するような事は無いので、その辺の心配は無用である。どうしても気に掛かる様であれば、卵のおしりに包丁の手元の尖がったところで軽く叩いて穴をあけてやるとよい。次に茹で上がりの二分前になったならば、乾燥ワカメをパラパラと入れてやる。湯の中ならばもどりもはやい。ならばいっそまとめてやってしまえというわけである。茹で上がりの一分前には、短冊状に切り分けた油揚げを入れる。茹で上がったうどんはどうせ水で洗って、冷水でしめるのだから、茹で汁で油抜きをしてはいけないなどという道理は無いのである。この際、まとめてパパッとやってしまおう。
さて、茹で上がったうどんは冷水でしめた後は、水を切ってどんぶりに盛り、刻んだ万能葱を散らして、ちくわは包丁なんぞ使わずとも手で一口大にちぎってやり、焼いて身をほぐしたアジの干物に、ショウガをひとかけ混ぜ込んだ大根おろしをのっけて、すりゴマをパッと撒いて、さらに鰹節を手で軽く揉んで細かくして降らしてやろう。最後にうどんと茹でたタマゴの殻を剥いて、ぷるんぷるんの半熟たまごを具材の一番てっぺんにのっけてやり、創味のそばつゆ(ちと値は張るが、濃いので減りは遅く、コスト・パフォーマンスは良い)を円を描くようにぶっかけて、かき混ぜてやればあとはかきこむだけである。好みに応じて、七味唐辛子でピリッとさせるのもよい。やり方も見た目も実に大雑把なものであるが、これがなかなかいけるのである。盛る皿も茹でる時に使った鍋なんぞに盛ってしまえば洗い物も少なくて済もう。如何に手を抜き、飽きが来ず、そして安上がりに仕上げるか。茶飯の料理などはこの程度のものでいいのである。