サングリアもどき


通常、「サングリア」には数種のフルーツと甘いソーダ、香り付けにシナモンを使うので、これは「ティント・デ・ベラーノ」(赤ワイン+ソーダ)に近いので、差し詰め「ティント・デ・ベラーノのオレンジ添え」といったところだろうか。ソーダは無糖ではなく、三ツ矢サイダーを使ったので、味を引き締めるためにレモンを入れたかったのだが、スーパーに良いのがなかったので、レモン・ジュースを数滴足らした。加糖であればデザートで、無糖ならば食事の内容次第では食中酒としても大丈夫そう。赤ワインは先日の「STONE VALLEY Cabernet Franc 2004」を使ったが、渋味がほどほどなので良い塩梅に仕上がった。色も透明感があって良かった。暑くなってくるとこういう飲み方も悪くない。

Ironstone Vineyards「STONE VALLEY Cabernet Franc 2004」




原産国:アメリカ(カリフォルニア州)/葡萄品種:カベルネ・フラン/タイプ:赤ワイン、SMOOTH/ミディアム/酸化防止剤(亜硫酸塩)含有/アルコール度数:13.5%/容量:750ml/輸入者:コルドンヴェール株式会社/「やまや」つくば店にて購入。平価680円、二本で1000円。
「ストーンヴァレイ/カベルネ・フラン2004」。栓は樹脂製の人造コルク。抜きやすいのだが、これならキャップで十分な気がしてならない。さて、「カベルネ・フラン」はカベルネ・ソーヴィニヨンの交配親で、特徴も似たところが多いのだが、こちらの方が比較的軽く、また香りも青っぽいものに当たる事が少ない。これも青っぽくはないものの、甘いが少々癖のある香りがした。水色は透明感があるもので、ボディは軽め、渋味はあまり強くなく、確かにスムースな口当たりであった。ちょっと酸味が強かったかなと思ったところもあるが、基本的には飲みやすいワインだった。開栓後、少々日を置いても(――ラップで栓をして冷蔵庫で保管)特に変化が無かったので、日持ちも悪く無さそう。

DISTELL「TWO OCEANS PINOTAGE 2008」





原産国:南アフリカ(西ケープ州)/葡萄品種:ピノタージュ/タイプ:赤ワイン、SMOOTH/ミディアム/酸化防止剤(亜硫酸塩)含有/アルコール度数:13.5%/容量:750ml/輸入者:コルドンヴェール株式会社/「やまや」つくば店にて購入。平価680円、二本で1000円。
ディステル社は南アフリカの業界トップで、日本で言うとアサヒとか、キリンみたいな企業。以前は気がつかなかったのだが、「OBiKWA(オビクワ)」もこのメーカーのシリーズ(銘柄)らしい。キャップのところにEU(税関か?)のシールが貼ってあるので、おそらくは一度欧州に輸出された物のようだ。この種の再輸出された物は、しばしば保管状態が悪いものがあるので注意が必要。
多くのピノタージュがそうであるように、これもまた癖があって、飲む前に開けて置いた方が飲み易い。今の時期なら、小一時間ほど冷蔵庫に冷やしてもいい。土のような、或はウイスキーのピート香のような香りに、果実のような甘い香りを伴っている。オビクワは軽やかな飲み口だったが、こちらはやわらかい印象を受ける。何れにせよ、比較的軽くて、渋味もあまり強くない。食事に合わせるには香りに癖があるし、何よりちょっと軽いので軽食向きかな。チーズやシンプルな味付けのパスタとか。なお、個人的な好みとしては「OBiKWA」のピノタージュの方が美味しかった。

エンジェルリーフガーデン「Darjeeling Singbulli DJ-32 2008FF SFTGFOP1 CLONAL SPL」




●湯出し

●水出し

福袋で購入(平価は1500〜1700円の模様)。店のレシピ=茶葉の量:3g〜3.5g/浸出時間:2.5分〜3分/お湯の量:100〜110cc/湯の温度:80〜95度
ダージリン・ミリク(Mirik)地区のシンブリ茶園(Singbulli Tea Estate、シンブーリとも)の2008年産ファースト・フラッシュ。店の表記は「ファーストフラッシュ ダージリン紅茶 2008シンブーリ茶園50g DJ32/SFTGFOP1 CL0NAL SUPORB」なのだが、「0」と「O」、「SUPORB」と「SUPERB」を打ち間違っているのだと思われる。ただ、ややこしいのはラベルの方もミスがあって、「SFTGFOP1」が「SFGFOP」なっていたり、「SUPORB」が「SPL」になっていたりする。この「SPL」というのはおそらく「SPECIAL」の略だと思われるので、「SUPERB」と意味は似たようなものではあるが、少々紛らわしい。別ロットの可能性を考えて、タイトルはラベルの方を優先した。
茶葉は大振りで、産毛がある。水色からは火入れがやや強い印象を受ける。茶葉からはハーバルな香り。茶液からはややハーバルな風味を持った、フローラル。ちょっと癖のある香りで、ハーブや華のような香りに、薬っぽさ、或は香水的な香りも伴なっているので、この種の香りが苦手な人には向いていない。熱い時よりも温くなった頃が飲み頃で、フローラルな香りも後から立ってくる。抽出温度以上に、抽出された茶液の温度に気を使ったほうが良さそう。砂糖と牛乳との相性はあまり良くない。水出しは悪くなかったので、ストレートと水出しの二択か。

ほまれ酒造「会津ほまれ 米だけの酒 辛口パック 2L」




製造者:ほまれ酒造株式会社(福島県喜多方市)/原材料:米・麹/精米歩合:70%/アルコール分:13.0度以上14.0未満/甘辛度:辛口/濃淡度:端麗/日本酒度:+4/酸度:1.4/清酒(全自醸酒)/「まるも」学園店にて一本1080円で購入。
全自醸酒というのは自社製造というような意味。ワインなどでもそうなのだが、銘柄と製造元は必ずしも一致しない。品評会の常連になっているような蔵元でも、高級酒以外は小規模の蔵元の酒を買い付けたものをブレンド、パッキングしたものを自社ブランドとして販売していたり、或は大手(大規模工場)に外部発注している場合もあり、エンド・ユーザーには大変分かり難くなっている。
さて、これは料理用に購入したのだが、存外美味しかった。よく馴染んでいて、アルコールの刺激が少なく飲み易い。香りも仄かに漂うやわらかいもの。薄味(淡麗)ということもあってか、冷し過ぎるとそれこそ水のように飲めてしまうので、飲む前に小瓶に移して小一時間、というような冷やし方の方が良いかもしれない。明確に美味い、というよりは手堅い美味さであり、常温でも、冷でも、熱燗でも、それなりに愉しめる。中々使い勝手の良いお酒であった。

エンジェルリーフガーデン「夏摘み紅茶 セカンドフラッシュ・ダージリン TEABAG キャッスルトン茶園」(TB)




●熱湯三分

●水出し

パッカー:エンジェルリーフガーデン/産地:インド・ダージリン(クルセオン・サウス)/形状:ティ・バッグ(BOP?)/価格:1180円(約3g×20個)
一袋(約3g×20個)が平価で1180円だが、これは十個入りの福袋仕様。甘い香りだが、マスカテルではない。熟した果実や豆のような香り。水色はやや濃い目の栗色。渋味はあるがストレートで飲めないほどの強さではない。砂糖との相性が良かった他、ミルクを足しても良く、水出しは甘い香りが上手くのった上々のものに仕上がった。普段飲み用には少々高いが、使い勝手は良い。なお、細かい茶葉が混じっており(――パック後に崩れたものなのか、それともブレンドによるのかは不明)、くれぐれもばらして使ってはいけない。

KIRIN「HEATLAND BEER」



製造者:麒麟麦酒株式会社/原材料:麦芽・ホップ/アルコール度数:5%/内容量:500ml(中びん、リターナブルびん)/スタイル:ピルスナー、生(非加熱処理)/「まるも」学園店にて一本260円で購入。
キリンの「ハートランド・ビール」。一応、いわゆる「プレミアム・ビール」の一種に含まれるそうだが、同種のビールとしては安い方。濃緑が印象的な瓶のシンプルなデザインは、コスト的にも貢献しているのだろうか。水色は薄く、レモン色。炭酸は弱めで泡や気が抜け易く、これに関しては陶器ではなく、グラス、それも上に行くほど窄まった、フルート・グラスのような形状のグラスで飲んだ方が美味しい。味は軽やかで仄かに甘い。親しみ易い味である。紅茶でたとえるならば、ニルギリのようなビールであろうか。